デジタル社会に移行していく現代社会。生活は便利になりましたが、一方で悲しいことに“手紙”は絶滅の危機に陥っています。しかし、声に出すのではなく文章にすることで、またタップで打ち込むのではなく手書きにすることで、大切な人への思いがまっすぐ伝わることもあります。
ラブレターは贈る喜び、受け取る喜びがあり、読む楽しみがあり、そして感動を何度も振り返ることができます。少し照れ臭いかもしれませんが、大切な人にラブレターを贈ってみませんか?
スイスの作家であり、カランダーシュ・アンバサダーのJon Monnard(ジョンモナード)氏から、ラブレターの書き方についてアドバイスです。
彼の言葉が、ラブレターを書くきっかけになることを願っています。
はい、ただ『I love you』と口にするよりも、書くことのほうが稀ですが。文字は、あなたの思考の深さ、他の誰かへの愛を示すとても強力なシンボルだと思います。
シンプルかつ誠実に。感じていることを正直に表現することを、恐れないでください。あなたのスタイルに自信をもってください。詩人である必要はありません。
あなたのパーソナリティを大切にしてください。人によって、言葉は異なります。大切なことは、自分自身に忠実であり、あなたが信じていることを書くことだと思います。
たとえば、私は文章を書くのが好きですが、いくつか間違えてしまうことがあります。それは頭ではなく心で考えているから。書き直したり、インクのしみがあったり――それも、あなたのアイデンティティのひとつ。言葉に迷ったり、つい同じことを繰り返したり、不器用なところがあったり――。それがあなた自身です。繰り返しになりますが、あなたはエッセイを書くわけではないのだから、着飾ろうとしないでください。誠実な真実の言葉であれば、それは必ず伝わるはずです。
たくさんのアーティストがラブレターを書いています。個人的には、ポール・エリュアール(1895-1952, フランス、詩人)に感動しました。詩人は、愛と感情を明快に表現する力を持っています。ルネ・シャール(1907-1988, フランス、詩人)とマルグリット・デュラス(1914-1996, フランス、作家)にも感銘を受けました。シラノ・ド・ベルジュラックの演劇も本当に好きです。自分の言葉で愛を表現するという、素晴らしい例だからです。もっと最近の詩人なら、ネクフー(1990-,フランス、ラッパー)はどうでしょう。彼はとても素晴らしい。
手書きとなると乱雑になってしまうので、なるべく最高のライティングツールを選択します。エクリドールは万年筆、ボールペン、メカニカルペンシルなどがありますが、私はいつもインクで書くことを好みます。率直で生き生きと、手紙をより際立たせます。私にとってボールペンはどこか乾いた印象があって、オフィシャルな場を思い起こさせるのでできる限り避けますが、もちろんボールペンが手にあればそれでもいい。――結局のところ、最も重要なのは言葉ですから。
私たちにとって、それは必要なことだと思います。言葉を共有し、感情を表現する必要があります。カフェ、図書館、電車の中、夜の散歩中、または仕事からの帰宅途中、突然にライティングの衝動がやってくるかもしれません。いつでもどこでもいい。ただ書くだけです!
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