グラファイト鉛筆で描くためのガイド

グラファイト鉛筆は16世紀から存在し、瞬く間にアーティストにとって欠かせない道具となりました。淡いグレーから深い黒までのきれいな線と影を生み出せることから、スケッチはもちろん、ポートレートのような精密画にも最適です。

鉛筆画の技術をもっと磨きたい方、あるいは精密さと自由な表現を兼ね備えたこのツールについて深く知りたい方に向けて──基礎から道具の選び方まで、鉛筆画の魅力を余すことなくお届けします。

鉛筆の選び方


鉛筆の硬度(H、HB、B)の理解

 
H(Hard):2Hや4Hなど硬い鉛筆は淡い色の細い線を引けます。精密なスケッチや設計図など、細部まで正確さが求められる作業に最適です。紙に付くグラファイトが少なく、繊細な描線向きです。

HB(Hard Black):硬さと黒さのバランスが良く、スケッチにも精密画にも使える万能タイプ。描き始めによく選ばれる硬度です。

B(Black):芯が柔らかくなるほど紙に多くのグラファイトが乗り、濃くなります。2B、4B、6Bなどは陰影や質感表現に最適で、力強いコントラストと深い黒を描けます。

描く目的に合わせた選び方


ラフスケッチ:消しやすい淡い線を引けるH系がおすすめ。

細部描写:HBややや柔らかい2Bが、くっきりした線と柔軟さのバランスを提供。

ポートレートやリアル画:4B〜8Bで深い影と強いコントラストを演出。

同じ作品内で硬さを組み合わせるのも効果的です。硬い鉛筆で輪郭や細線を描き、柔らかい鉛筆で影や濃い部分を塗り込むと、奥行きのある表現が可能です。

鉛筆画に適した紙の選び方

 
ケント紙(細目):滑らかで均一な表面は細かい線や繊細な陰影に最適。スケッチや製図に向いています。

中目紙:ややざらつきがあり、グラファイトがよく乗ります。階調や立体感の表現に最適。

荒目紙:凹凸があり、質感のある表現に向く紙。光と影のコントラストを活かす作品に適していますが、細部描写にはやや不向きです。

 

🖍️ 他の画材との組み合わせは?


もちろん可能です。インク、水彩、木炭などと組み合わせれば表現の幅が広がります。下描きや細部を鉛筆で描き、色や奥行きを加えるのに水彩を使ったり、インクで輪郭を強調したりできます。

鉛筆画の基本テクニック


線、ハッチング、クロスハッチング

 
グラファイト鉛筆でのデッサンを始めたばかりの方は、まずはシンプルな線を引く練習から始めましょう。線は薄く描くほど修正しやすくなります。
“ハッチング”とは、平行線を何本も引くことで質感や陰影を表現する技法です。線の間隔を調整することで、明るさや暗さを自由に変えることができます。
さらに“クロスハッチング”では、平行線同士を交差させることで、より深い影や立体感を演出できます。柔らかな影を描くにはハッチング、コントラストを強調したいときにはクロスハッチングがおすすめです。

グラデーション(濃淡)

 
グラデーションシェーディングは、鉛筆にかける筆圧を変えることで、最も薄いグレーから最も濃い黒まで、幅広いトーンを表現する技法です。筆圧を強めたり弱めたりすることで、明るい部分と暗い部分を描き分け、絵に奥行きと立体感を与えることができます。
リアルな質感を出すためには、一度に濃く塗るのではなく、薄い層を重ねていくのがポイントです。これにより、自然で滑らかな陰影が生まれ、より完成度の高い仕上がりになります。

ブレンディング(ぼかし)


ブレンディングは、明るい部分と暗い部分の境界を柔らかくし、自然なグラデーションを作るための技法です。
サッピツや指先を使って影をなじませることで、より滑らかで自然な陰影を表現できます。
ただし、やりすぎには注意。過度にブレンドすると、描画のディテールや質感が失われてしまうことがあります。
柔らかさを出しつつも、適度にエッジを残すことで、立体感とリアリティを両立させることができます。

コントラストと奥行き

 
コントラストを加えることで、形に奥行きを与えることができます。
明暗の差を活かすことで、立体感や遠近感を生み出し、よりリアルな描写が可能になります。
たとえば立方体やリンゴなど、シンプルな形のモチーフを選び、光が当たる部分と影になる部分を意識して描き込みましょう。光と影のバランスを強調することで、モチーフに立体感が生まれ、作品全体に深みを与えることができます。
緻密な部分の明るさを強調したいときは、練り消しゴムを使うのがおすすめです。
部分的にグラファイトを取り除くことで、光が当たっているような反射やハイライトを作り出し、描画に立体感を与えることができます。
このテクニックを使うことで、暗い部分とのコントラストが際立ち、奥行きや形のメリハリを強調することが可能になります。
ハイライトを丁寧に入れることで、作品全体の完成度がぐっと高まります。

テクナロ  グラファイト鉛筆:作品に命を吹き込む

 
より高度な表現を目指すなら、テクナロ グラファイト鉛筆がおすすめ。水に反応して水彩効果を生みつつ、グラファイトの深みを保ちます。テクナロ RGB セットでは赤・緑・青の色素入り鉛筆で、彩り豊かでコントラストの効いた作品が制作可能です。

🖍️ スキルアップには
カランダッシュのCreative Classで、プロのアーティストによるドローイング&ペインティングのレッスンを受講可能。ステップごとに新しい技術を習得し、着実に腕を磨けます。

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カランダッシュの筆記具および画材は、1915年の設立から現在に至るまで、スイス・ジュネーブの自社工場で開発・製造されています。(一部商品を除く)

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